就労体験が自信に

封筒作りの作業をする中西海香さん(高2)

大島養護学校 事業所などで実習

 龍郷町の県立大島養護学校(芝原一郎校長、児童生徒数116人)は今月、高等部生を対象に、産業現場などにおける実習(校外実習・校内実習)を行った。日頃の学習の成果を事業所や福祉施設で発揮し、「働く喜びや厳しさ」を体験することを目的としている。

 2年生、3年生は、今月中旬から10日間、19事業所(32カ所)の実習先で校外実習を体験した。1年生は働く基礎を学ぶため、校内の清掃や農作業を行った。今月初旬には、全員が実習における個別の目標を設定したという。

 社会福祉法人・三環舎(向井扶美理事長)の障がい者福祉サービス事業所・あしたば園(奄美市名瀬、利用者40人)では、生徒2人を受け入れた。

 同園は、通所で利用者の就労や自立訓練などの支援をしている。実習では、午前中は菓子製造の手伝い、午後は紙の封筒作りを中心に作業にあたった。

 同園の主任支援員の平あすかさんは、「はじめは不慣れな環境に緊張している様子の生徒もいたが、徐々に周りの人とのコミュニケーションや、できることが増えていった」と話した。

 同園で実習を行った中西海香=なみか=さん(高2)は、「ラスク作りの作業が楽しかった」と笑顔。

 同校の国分佳子教諭は、「事業所のサポートもあり、想定していたよりも環境に慣れるまでがスムーズだった。実習経験が生徒たちの自信につながれば」と語った。