お待たせ!夏本番

快晴の空の下、大浜海浜公園で海水浴に興じる子どもたち(20日午後0時30分ごろ)

奄美地方が梅雨明け 史上最も遅く過去最長

 鹿児島地方気象台は20日、奄美地方が梅雨明けしたとみられると発表した。平年より21日、昨年より7日遅く、統計が始まった1951年以降で最も遅い梅雨明け。今年の梅雨入りは5月10日ごろで、梅雨明け日を含む梅雨の期間も72日間となり、過去最長となった。

 平年の梅雨明けは6月29日ごろで、最も遅かったのは1983年と2010年に観測した7月15日。ようやく快晴の空が顔をのぞかせ、一番遅い夏本番が訪れた。

 名瀬測候所によると、今年は太平洋高気圧の張りだしが弱く、前線が長期に渡って奄美地方付近に停滞することで遅くなる要因の一つになった。梅雨期間中(速報値)の降水量(平年値)は、▽名瀬988・5㍉(725・6㍉)▽笠利752・5㍉(634・1㍉)▽喜界島640・5㍉(517・0㍉)▽古仁屋1012・5㍉(599・5㍉)▽天城803・0㍉(544・0㍉)▽伊仙793・5㍉(516・3㍉)▽沖永良部705・0㍉(475・4㍉)▽与論島721・5㍉(442・6㍉)で、各地で平年値を上回った。

 気象庁によるとこの日は、名瀬で33・4度、笠利で32・2度と、2地点で日別の最も暑い時期を上回るなど、奄美群島全域で気温30度を超える「真夏日」を観測。奄美市名瀬の大浜海浜公園では、地元住民や観光客らが凉を求めて、次々と海に足を運んだ。

 浜辺で2歳の娘と石拾いを楽しんだという同真名津町在住の女性(30)は「朝から天気がよく、久しぶりに娘と出かけてきた。海もきれいで気持ちがいい」と笑顔。17日から親族14人で奄美を訪れているという神奈川県在住の観光客男性(41)は子どもたちと海水浴を楽しみ、「雨が続いていたが、やっと青い海が見られた」と、水をかけ合ったり魚探しをしたりと、澄んだ海を満喫した。

 同測候所によると向う一週間の天気予報は、概ね晴れ。湿った空気の影響で雲の広がる日もあるが、太平洋高気圧に覆われるなど平年並みの暑さが続くと見込んでいる。