日常影響に不安

新型コロナウイルスの感染報告が相次いでいる与論島

 

「外出控え」「職場の対策徹底」
与論、増える感染者

 
 与論島内で広がる新型コロナウイルスの感染に日常がどう影響するか――。4連休が終わり、27日から日常が戻るが与論町民の感染報告が相次いだことで、公的機関や観光施設は臨時休業、窓口対応の制限が余儀なくされた。住民からはすでに「買い物を含め外出は極力控えている」「週が始まるので、職場では感染予防を徹底したい」など、生活や仕事面の変化を不安視する声が出ている。

 島内の感染拡大で急きょ臨時休業を決めた、与論民俗村代表を務める菊秀史=ひでのり=さん(62)=麦屋=。観光シーズンに入り、来場者の受け入れが忙しくなった矢先の事態に戸惑いは隠せない。「気持ちを切り替えて前向きに頑張りたい。施設の維持・管理などやることも多いので…」と気丈にふるまいつつ、「最低でも症状を見極める2週間は、島民全体で我慢するしかないのでは」と話した。

 会社員の40代男性=那間=は、生活する上で食料品や日用品など購入機会をどう抑えるか頭を悩ませている。「自宅には三世代が同居しており、買い物は毎回数店舗に出向く。外出回数を減らしたいが日持ちできる食材を多めにして、いまのうちに米を買おうか家族と相談中」。

 身内(PCR検査は陰性とのこと)が入院中という無職の60代女性=茶花=は「面会できず家族が心配している。緊急事態は理解しているが、気がかりは病院利用の制限。またリモート勤務できない職場なので職場内の感染対策も徹底したい」と言葉少なに語った。

 感染拡大を受け、今後の影響に不安を口にする島民も。30代女性=朝戸=は「27日から日常が始まり、職場などでさらに拡大してしまうか不安。また感染がいったん落ち着いても再発が怖い」。団体職員の20代男性=茶花=は「報告された感染者には知り合いもいる。もし感染したら自分で自分を責めてしまいそう。そうなったらつらい」と沈痛な様子を見せた。