子どもたちが見守る中、海に放流された子ガメ(提供写真)
地域の子どもも見守り
笠利町土浜海岸
奄美市笠利町平の土浜海岸で7日朝、アカウミガメの卵からかえった子ガメ120匹が海へ旅立った。近くに住む三腰次男さん(72)が産卵直後の6月から保護していた。引き波に乗って沖に向かって泳ぐ子ガメを地域の子どもたちが見守った。
普段から同海岸の散歩とごみ拾いなどを日課にしている三腰さん。6月1日の早朝、海岸の波打ち際から内陸部まで10数㍍ほど続くウミガメらしき足跡を見たため、足跡が途切れたあたりの砂中で卵138個を見つけたという。
周辺を木枠で囲い、シートをかぶせて保護。毎日見回ってふ化を待っていたところ、発見から2カ月以上経ったこの日地表に出てきた体長5、6㌢ほどの子ガメを確認した。
すべてふ化するのを待って、いったん水槽に入れ、地域住民に手伝ってもらいながら放流。元気に泳ぐ子ガメの様子に参加した子どもたちは見入った。
三腰さんは16年前から海岸近くに住むが、ウミガメの産卵を確認したのは初めて。「(卵から)無事にかえってよかった。貴重な生き物が訪れるこの海岸をいつまでも大切にしたい」と話した。