見守りや話し相手で支援

28人が受講した2020年度認知高齢者等支援ボランティア「結とも養成講座」

認知症高齢者ボランティア「結とも養成講座」
奄美市高齢者福祉課

 奄美市高齢者福祉課主催の2020年度認知高齢者等支援ボランティア「結とも養成講座」が9日、奄美市名瀬の同市役所大会議室であった。受講者ら28人は、地域認知症高齢者を見守りや話し相手として支えようと、現役医師や社会福祉士の話などに耳を傾け、活動内容や支援する上での心構えを学んだ。

 結ともは、地域の認知症高齢者をサポートする見守りボランティアで、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりを目指す同市の取り組みの一環。2018年に発足し7月末現在、19人の登録があり4人が活動している。

 冒頭、同課・川畑博行課長が受講者を前にあいさつ。「みんな知識と情熱が合わさった時、いい地域になってくる。一緒になって地域を支える人になってほしい」と激励した。

 名瀬地域包括支援センターの保健師・島名博美さんは「奄美市の現状と認知症施策」と題して講話。奄美市では19年1月末現在、高齢者のうち11・0%が認知症と推定され、今後ますます高齢化率が高まることなどを説明した上で「この先誰もが認知症にかからないという保証はない。先を見て認知症になっても安心して暮らせる地域を目指しましょう」などと呼び掛けた。

 稲医院医師の稲源一郎さんは「認知症の症状と治療~認知症に学ぶ」をテーマに講話し、認知症の線引きや判断の難しさなどに言及。早期診断と介入の必要性などを説いた上で、「防ぐのは難しい面もあり、関係性をつなぐことが大事。地域で(暮らしを)続けられる社会をつくっていかなければならない」など訴えた。

 この他、社会福祉士による認知症高齢者ケアの話や事業説明などもあった。受講した奄美市認知症の人と家族と支援者の会・まーじんまの世話人を務める屋ます江さんは「ボランティア同士が少しでもつながることができればと思い参加した。地域に生かしていきたい」と笑顔で話した。

 この後、受講者全員に修了証書が授与。登録することで「結とも」としての活動が始まる。