住家など5棟が全焼

住家など5棟が全焼した奄美市名瀬柳町の火災現場=12日午後0時28分ごろ

名瀬柳町で火災、搬送者なし

 12日正午ごろ、奄美市名瀬柳町の住宅街で火事があり、住家4棟を含む5棟が全焼、住家3棟が部分焼など(焼失面積約470平方㍍)焼けた(大島地区消防組合本部調べ)。8世帯11人がり災。この火事による病院への搬送者などはなかった。

 奄美署や同本部などによると同日午後0時21分、近隣の住民から119番通報があり、同本部や奄美市消防団らが出動。約120人が消防車などで消火にあたり、火は約2時間後の午後2時34分に消し止められた。

 この火災で、全焼5棟(住家4棟、非住家1棟)、部分焼3棟(住家3棟)、ぼや2棟(住家1棟、非住家1棟)が焼けた。火事の詳しい出火元や原因などについては調べを進めており、きょう13日も、同署と同本部が午前9時から現場検証にあたる予定となっている。

 この白昼の火災で現場周辺は一時、騒然となった。出火すぐそばの家に住む60代男性は正午ごろ、自宅で仕事のための作業していたところ、枯れ草が燃えるような臭いがしたため玄関の扉を開けたところ、前方の住宅から黒煙が立ちこめ火が上がっているのが見えた。男性は慌てて浴槽に駆け込んで、バケツに水を入れて消火を試みたが、火の手は瞬く間に広がりを見せた。駆け付けた警察官から「早く避難を」との指示があったため、男性は着の身着のままでその場を立ち去ったが、家は全焼。「通帳も免許証も家に置いたまま…」と言葉を失った。

 現場から数十㍍ほど離れた住家に住む60代女性も臭いで火事に気づいた。「最初は煙だけだったけど、火が見えたと思ったらどんどん大きくなっていった」と驚いた様子で話し、「みんな無事であってほしい」と隣人らと消火の行方を見守った。

 12日午後6時現在、判明しているり災者は次の通り(大島地区消防組合本部調べ・敬称略)。

 【全焼】榊真嗣住家1棟、武田ナル子1棟、里見日出造・中村正子住家1棟、西田眞仁住家1棟

 【部分焼】與廣能住家1棟、三谷智恵代1棟、福島悟住家1棟

 【ぼや】伊藤哲司1棟