熊田さん(神奈川)が大賞

奄美を描く美術展大賞・熊田さんの作品「終焉と始まり」

奄美を描く美術展 全国から93点
コロナ禍「負けない情熱感じる」

 「第19回奄美を描く美術展」(同実行委員会主催)の審査結果が9日発表され、最高賞となる同美術展大賞には、神奈川県在住・熊田芳子さんの田中一村終焉の地を描いた日本画「終焉と始まり」が輝いた。18日から奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館企画展示室で展示される。

 同展は、奄美の文化振興や観光の発展を目的に今年で19回目。島内外から76人・93点の作品が集まり、入賞12点と入選48点が決まった。

 種類別では、油彩44点、アクリル・水彩29点、日本画・墨11点、工芸1点など。18人が初出品で、15~86歳まで幅広い世代が、多彩なモチーフで奄美を表現した。

 同美術展大賞・熊田さんの作品について審査員は「画面全体を覆うノスタルジックな雰囲気は、建物の歴史を感じさせるが寂れたものではなく、むしろ周りの木々と優しい光が見える人の心を落ち着かせるような風景」と講評。日本美術家連盟会員の久保井博彦審査員長は総評で「今年度は新型コロナウイルスの感染拡大が社会に大きな影響を与える中で、それに負けずに頑張っていこうとする強い制作精神・情熱を感じられる作品が多く見られた。作家それぞれの個性的な特徴が見られ、どの作品も味があり強いメッセージを伝えていると感じた」と各作品を称えた。

 作品展は、今月18日~11月15日までで、授賞式は今月24日午後2時から同室で実施。入場は無料となっている。

 その他の入選者は次の通り(敬称略)。

 【田中一村記念美術館賞】中西優多朗(京都府)【優秀賞】吉村英彦(奄美市)、上田泰徳(東京都)、餅原宣久(鹿児島県)、田中孝林(福岡県)、佐藤加奈(徳之島町)【奄美の海賞】中村哲郎(奄美市)【奄美の空賞】渡瀬俊輔(同)【奄美の杜賞】平芳子(同)【ヤング賞】中山鈴香(徳之島町)【シルバー賞】丸山良二郎(鹿児島県)