地元関係者の思い

「自然と共生の精神大切」「推進役を」「一歩前進」
世界遺産日程決定

 世界遺産委員会が来年6~7月に開催されることが決定したことについて、「奄美・沖縄」世界自然遺産推薦地の関係者に改めて話を聞いた。

 奄美大島エコツアーガイド連絡協議会の喜島浩介会長は「世界自然遺産に向けての努力は今まで通り進めていくが、経済中心にならぬよう改めて『自然との共生』の精神を大切にしたい。自然ありきで奄美は歴史を重ねてきた。自然を壊さず、求めすぎず、自然と一緒に生きていくーそういう心根を持った島民たちとの触れ合いが、観光客を再度奄美に呼ぶのだと思う。そしてそこを目指すのが我々の世界自然遺産の立ち位置だと考えている」と語った。

 NPO法人「徳之島虹の会」の美延睦美事務局長は「全然準備が進んでいないので不安でいっぱい。まだ徳之島には世界遺産推進室が設置されておらず、奄美大島と比較してかなり遅れている。『ノネコの管理計画』もまだできていない。国と行政と島民が一体になって進められるよう、推進役を立ててほしい」と話した。

 NPO法人「奄美野鳥の会」の鳥飼久裕会長は「宙ぶらりんになっていた会議日程が決まって一歩前進。世界遺産になろうがなるまいが、奄美の自然の価値は変わらない。一時は伐採があったりマングースが増加したりして大きなダメージを受けたが、少しずついろんな生きものが回復してきている。このように復元力が強く懐の深い奄美の自然は、十分に世界自然遺産の価値があると思う」と語った。