ウービキ作業始まる

ウービキの作業を行う工房のメンバーら=知名町下城=

「来年こそは良い年に」
沖永良部芭蕉布工房

 【沖永良部】知名町下城の沖永良部芭蕉布工房で9日、原料のイトバショウの繊維から糸を作る工程の一つ「ウービキ」の作業が始まった。木灰汁で煮た繊維を竹ばさみでしごき、不純物を取り除いていく。ウービキを含む、糸づくりの作業は来年3月まで続く。

 この日は、工房のメンバー4人で作業を行った。竹ばさみでしごいた繊維は、硬さなどによって緯糸と縦糸に分けられる。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、工房を訪れる観光客数が激減。商品の売り上げも大幅に下がり、国の持続化給付金を申請して制作活動を行ってきた。

 長谷川千代子代表(81)は「来年は良い年になってほしい。若い人たちに芭蕉布を知ってもらうためにも頑張っていきたい」と話した。