21年度予算編成で要請

左から宮路拓馬政務官、塩田康一知事、武田良太総務相、外薗勝蔵会長(総務省での要請活動)

県開促協と県
初活動の塩田知事手応え

 【東京】鹿児島県開発促進協議会(会長・外薗勝蔵県議会議長)と県(塩田康一県知事)は10日、中央省庁で2021年度の政府予算編成においての重点28項目の提案事項を要請した。離島における新型コロナウイルス感染者の搬送や、奄美の世界自然遺産登録などについて協力・支援を訴えた。初の活動となった塩田新知事は確かな手応えを感じ取っていたようだった。

 一行は、国土交通省の小林茂樹政務官を訪問。「奄美群島振興開発の推進」「離島振興対策の拡充」「離島における感染者の搬送」などについて提案した。総務省では、「新型コロナウイルス感染症対策に係る財政措置」などについての提案事項がされ、武田良太総務相から「しっかりと取り組んでいきたい」との返答があったという。

 奄美関連では、世界自然遺産登録について環境省で笹川博義副大臣に要請。この日が初の活動となった塩田知事は、「各所で理解を示していただいた」としたうえで「来年6月から7月と(中国での開催)示されたので、しっかりと対応をしていきたい」と力強く意気込みを語り、「奄振(奄美群島振興開発特別措置法)事業も満額要求していく」とし、外薗会長も同調した。

 一行はほかに、厚生労働省、スポーツ庁を訪問。厚労省では「離島における感染者の搬送」について重ねて提案したほか、スポーツ庁ではコロナで開催が見送られた「かごしま国体・かごしま大会」の2023年開催に向けた支援を講じるように求めた。

 提案活動は、行政や県内の産業界43団体で構成する鹿児島県開発促進協議会の会長と知事が、先頭に立つ形で行われる。概算要求が締め切られる前の夏と、国の予算編成が進められる秋の年2回実施されている。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、提案活動が見直され、8月中に県東京事務所を通じての提案となった。