秋幾「チンドン屋」大行進!!

「チンドン屋」に扮し集落内を練り歩く有志住民ら

 

コロナ禍も新年祝う 沿道では声援

 

 新年に集落を活気づけようと、龍郷町の秋名・幾里地区の住民有志約30人は元日、「チンドン屋」に扮して集落内を闊歩=かっぽ=した。新型コロナウイルスの影響で年始会や餅つきが中止になったことを受け、代替え案として実施したもの。秋名・幾里・あがれ地区を練り歩く予定だったが、天候が崩れたため秋名地区のみとなった。沿道や軒先には、にぎやかな音につられて住民らが顔を見せ、手を振ったり、声援を送ったりして喜んだ。

 「チンドン屋」とは、人目を引く派手な服装で三味線・太鼓・鐘・クラリネットなどを奏しながら、広告・宣伝をして歩く職業。また、その人(広辞苑)。

 今回参加者は、開催日の2日前から衣装づくりや楽器演奏などの準備を始めたという。また、「チン」「ドン」の音はフライパンと太鼓(チヂン)を組み合わせて創作。集落内の八つの商店や事業所の看板も段ボールで手作りし、商売繁盛を祈願した。当日は、座長の西田良太郎さん(40)が集落放送で行事の開催を周知。「新年、景気よく行きましょう!」の掛け声で家々を回った。それぞれの住宅の前では家主の名前が呼ばれ、住人は驚きながらも笑顔を見せた。なかには紙吹雪を用意して迎える人や、家族総出で通過を待つ人々の姿もあった。

 発案した楠元奈津紀さん(32)は「恒例行事の中止を受けて寂しい雰囲気のなか、声をあげたら多くの人が同じ思いでいた。地域の子どもから年配の方まで、たくさんの笑顔が見られてよかった」と話した。

 座長の西田さんは「地域の団結力の強さと、一人ひとりの力が発揮され、短い準備期間でも完成度の高い行事になった」と話し、次回の開催も視野に入れているという。