混雑回避し初売り

お目当ての福袋を求めて店を訪れる買い物客ら

 

 

お目当ての福袋など人気
名瀬商店街

 

 奄美市名瀬の中心商店街で2日、新春の風物詩「初売り」が始まった。例年は大勢の客でにぎわいをみせるが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、各店舗で開店時間をずらすなど分散化で混雑を回避。買い物客らはオープンと同時にお目当ての店に行き、人気の福袋やセール品などをお得に買い求めた。

 末広本通りにある事務用品販売の「東京堂」では、約1~1・5万円相当の文房具類を詰め合わせた福袋を34個用意し2200円で販売。午前10時の開店前には20人ほどが並び、わずか15分ほどで福袋は完売した。

 家族と来た伊津部小2年・沖野心陽ちゃんは、福袋を購入し、魚釣りゲームなどを楽しんだ。「(元日は)家でごろごろと遊んだ。お年玉いっぱいもらったのでまた文房具を買いたい」と喜んだ。

 同店も昨年はコロナ禍の影響で年末の忘年会用品などがほとんど売れず売り上げは落ち込んだ。泉力代表取締役は「苦しいのはどこも同じ。早い収束を願うばかり」。近年のお薦め商品を尋ねると、キャラクターマスクやマスクを飾り付けるアクセサリーを手に取り「ささいなおしゃれだが、こんな時期だからこそ楽しく過ごしてほしい」と笑顔で話した。

 一方、名瀬中央通りアーケード商店街では「全商品〇%ОFF」「初売り奉仕」などのPOPが店頭を彩る中、各店がまばらに初商い。例年より遅く店のシャッターが上がりはじめると、福袋を持った客が新たな福袋を求めて並ぶ姿なども見られた。

 同商店街でも混雑の回避を目的に、始業時間をずらすなど静かにスタート。感染防止のため、3が日の営業を見送る店も多かったという。

 同商店街振興組合の松尾典昭理事長は「昨年は行政の思いつく限りの支援もありやってこれたが、(コロナ禍の中、対面式の商いも多く)ワクチンが行き届くまでは安心できない」「小さな店ではできることも限られる。(行政には)支援継続を望みながら、早く普通の日常に戻るよう願いたい」と話した。