市議会一般質問

22日から集団接種会場準備
ワクチン「全く足りない」 供給確定975回分のみ

 奄美市議会3月定例会は5日、一般質問が始まり、奥輝人(自民)、川口幸義(同)、多田義一(自民党奄美)、大迫勝史(公明)、西公郎(自民党奄美)の5議員が登壇した。新型コロナウイルスのワクチン接種について、集団接種会場となる奄美文化センターの臨時医療機関の開設を3月22日に行い、3月下旬から医療従事者への接種開始を見込んでいることが報告された。一方、ワクチンの供給状況については、近くファイザー社製のワクチン1箱(195本入り)、975回分の入荷が決まっているものの、その後の供給時期については不確定で、高齢者や一般市民の接種スケジュールが遅れる可能性も指摘された。

 ワクチンの供給体制について市当局は、3月に2箱、4月に1箱が供給される計画となっていることを明らかにする一方、入荷が確定しているのは1箱のみとした。また、県がまとめた優先接種対象となる市内の医療従事者は2683人とし、「ワクチンの供給量がはっきりせず、具体的な日程が確定できないため、医師確保の依頼もできていない」などと説明した。

 ワクチンの接種については、3月22日から奄美文化センターで集団接種会場の開設準備を進め、3月下旬から医療従事者の接種をスタート、65歳以上の高齢者の接種を4月下旬に開始する予定で、一般市民の接種について、市当局は「早くても6月以降になる」との見通しを示した。

 計画では、集団免疫獲得などの観点から市民の約6割(高齢者は7割)の接種目標を掲げた。感染対策などのため予約制で実施。1日の接種可能人数を240~350人と想定、対象者に接種券と予診票を送付、事前に予診票を記入してもらうことで、短時間でのスムーズな接種につなげる。また、接種後は副反応などの異常がないか確認するため30分程度、会場内で健康観察を行う。

 ただ、こうした計画も、ワクチンの供給がなければ進めることはできないため、市当局は「3、4月のワクチン供給量では、対象者に対し全く足りない。当初計画を見直さなければならない状況」などと説明。供給計画が示されないため、接種計画の見直しも難しいとしている。