円小・德永校長 定年前に最後の授業

円小・德永校長 定年前に最後の授業

德永校長(後列右から3人目)と作品を手に児童たち(提供写真)

筆走らせ教え刻む

 龍郷町の円小学校で19日、今年度末に定年を迎える德永順美校長の最後の「授業」を開いた。教科は「書写」。全児童9人は、最後の教えを忘れず受け継ごうと懸命に筆を走らせ、学びを書として刻んだ。

 德永校長は、2017年度に同校長に就任。普段はほとんど教えることはないが、この日は思い出づくりにと教壇に立った。

 書道は、島内のコンクールでもたびたび審査員を務めるほどの屈指の腕前。久しぶりの教壇ということもあってか、德永校長に教わるのは初めてだという児童も多かった。

 授業では、児童の手を取り一緒に筆を運びながら「とめ」「はね」「はらい」などの書き方を指南。高学年は手本を書写し、低学年は硬筆で慣らしてから毛筆に挑むなど、それぞれのスキルに合わせて授業は進んだ。

 德永校長は、小学生時代に友達のきれいな字に憧れて広告用紙の裏に何度も練習したエピソードなども紹介。最後は「名前も作品。最後まできれいに書けるように落ち着いて書いて」と、集中力を切らさず丁寧に作品を書き上げた。

 2年の森鳳晴さんは「初めての習字だったけど校長先生に教えてもらえてうれしかった。これからも上手に書けるようになりたい」と笑顔で話した。