バルーン飾りのアーチを前に笑顔を見せる卒業生2人(前列両端)と保護者(後列)、德永順美校長
卒業生を喜ばせようと、学校関係者など有志らは、龍郷町立円小学校(德永順美校長、児童9人)の卒業式会場を「サプライズ」で飾り付けた。飾りにはバルーン(風船)を使用。式当日の24日卒業生らは、にぎやかなバルーンに囲まれながら思い出の学び舎へ別れを告げた。
同校の卒業式は3年ぶりの実施で、今年度の卒業生は姫野楓雅さんと圓山結礼さんの2人。会場には同校保護者や来賓、地域住民ら約20人が出席した。2人は有志らが飾り付けたバルーンをくぐり、温かい拍手に迎えられ入場。在校生や出席者に感謝と別れの言葉を述べた。
飾り付けをレクチャーしたのは、同町大勝在住の太剛志さん(38)。太さんは現在、県奄美パーク勤務。沖永良部職員時代からボランティアでバルーンを用いた活動を行い、多くの笑顔を生み出している。新型コロナウイルスの影響で機会が減少するなか、「何かできないか」と考案していたところ、同校保護者から声掛けがあり実現した。
前日は同校職員や保護者、地域住民など計15人が、太さんの手ほどきを受けながら約1時間かけ約200個のバルーンを装飾。円集落のカラー「黄色」を基調に、入退場の際にくぐるアーチや、細長いバルーンで花を造形し、会場を華やかに演出した。
卒業式終了後には、バルーンアーチの前で記念撮影。卒業生の圓山さんは「バルーン飾りがあることを知らなかったのでびっくりした」と笑顔。飾り付けに参加した森居礼さん(39)は「地域の方の、円小学校に対する思い入れを感じた」と話していた。
なお、同日は円小学校に4年間務め定年を迎える德永校長の卒業式(教員生活)もサプライズで行われ、「ダブルサプライズ」の日となった。