奄美の研究、わかりやすく

鹿児島大学島嶼研ブックレットシリーズ3冊が新たに刊行された

鹿児島大島嶼研ブックレット シリーズ3冊刊行

島々の自然や歴史、文化の研究成果を分かりやすく紹介する『鹿児島大学島嶼研ブックレット』(北斗書房発行)シリーズ14~16号がこのほど刊行された。3冊は共に奄美を対象に研究。著者の1人、同大国際島嶼教育研究センター教授の高宮広土さんは「高校生や大学生にもわかりやすく、奄美、文化人類学のテキストブックになる内容。一度読んでほしい」と薦めている。

本は、研究成果の知の還元を目的に2015年から不定期で発行。新刊の3冊は、14号『奄美の文化人類学』(桑原季雄著)、15号『魅惑の島々、奄美群島―歴史・文化編』(山本宗立、高宮広土編者)、16号『同―農業・水産業編―』(同)と、全て奄美を中心に書かれている。

14号『奄美の文化人類学』では、名越左源太の『南島雑話』や柳田国男の『海南小記』の文献などを足掛かりに、奄美の文化人類学的研究の歴史を掘り起こし、新たな研究としては徳之島と新潟県山古志村(現長岡市)が闘牛を通じてグローカルなネットワークが築かれた過程などを紹介。15・16号の『魅惑の島々、奄美群島』では、連載コラムに加筆し、遺跡や民謡、農業や魚など多様な視点で奄美を綴っている。

執筆に携わった山本さんも「必ず新たな発見があり、わかりやすく楽しめる本」。本はA5版・60~80㌻で700~800円(税抜き)。アマゾンなどで購入できる。