新型コロナのワクチンを接種する特別養護老人ホーム「大和の園」の入所者(同園提供)
65歳以上の高齢者を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が12日、県内でいち早く、大和村と鹿児島市の高齢者施設で始まった。大和村の特別養護老人ホーム「大和の園」では、入所者ら10人が接種。同園によると、アレルギーなどの副反応はなく、「全員が落ち着いている様子」という。同園では、14日以降も入所者らの接種を予定しており、19日までに入所者42人とショートステイ利用者5人の計47人のうち、本人や家族が希望した46人のワクチン接種を行うことにしている。
同園によると、この日ワクチン接種したのは、比較的体調などが落ち着いている82~98歳の入所者とショートステイ利用者の計10人(男性1人、女性9人)。午後3時ごろから約20分間、同村の国民健康保険大和診療所の小川信医師ら医師2人が問診などを行い、ワクチンを接種した。
同園によると、接種後約30分間、経過観察を実施したが、発熱などの副反応を訴える入所者はいなかったという。同園の勝健一郎園長(54)は「県内でいち早くワクチン接種できたことをうれしく思う。体調不良を訴える入所者もなく、ほっとしている。今後、数日間は体調に変化がないか、しっかり見守っていきたい」としている。
接種を受けた入所者の女性(84)は「(注射は)痛くなかった。怖いと思ったことはない。(ワクチン接種は)ありがたいことです」と、元気な表情で話し、時折笑顔も見せた。
同園によると、事前に入所者ら47人に接種の希望を確認したところ、アレルギーなどの不安を訴えた1人を除く46人が接種を希望したという。勝園長は「当初、接種するか迷っていた人もいたが、感染による重症化リスクなども考え、接種することにしたようだ」とし、「既往症を抱えた入所者も多い。施設内にウイルスを持ち込まないことを第一に、今後も感染対策を徹底したい」と話した。
同園では今後、入所者らの体調などを見ながら14日と18、19日の3日間で残り36人の接種を終えることにしている。
また、同村では16日から、同村体育館で集団接種も実施することにしており、村保健福祉課の早川理恵課長(47)は「対象者の8割程度の接種を想定している。ワクチン接種に不安を抱くことのないよう、しっかりと対応していきたい」としている。