ワクチンセンター開設

奄美ワクチンセンターでワクチンを接種する医療従事者ら

 

医療従事者の集団接種スタート
奄美市、龍郷町

 

 奄美市と龍郷町は19日、新型コロナウイルスワクチンの集団接種会場となる「奄美ワクチンセンター」を同市名瀬の奄美文化センターに開設した。同日午前9時からは医療従事者らを対象とした集団接種が開始され、医師や看護師ら約100人がワクチンを接種した。医療従事者を対象とした接種は25日まで行われ、その後5月3日から65歳以上の高齢者を対象とした集団接種をスタートする。

 この日は、朝山毅市長と竹田泰典町長も同センターを訪れ、医療従事者へのワクチン接種の様子などを視察。朝山市長は「まだまだ収束が見通せない状況ではあるが、まずは医療従事者の皆さんに接種していただくことで、島内の安全安心の確保につなげていきたい」とあいさつ。竹田町長も「いよいよ本格的なワクチン接種の体制が整った。島民や観光客が安心して生活できる環境づくりに努めたい」と、同センターへの期待を語った。

 会場を訪れた医療関係者らは、入り口で体温などを計測後、医師の問診を受け、ワクチンを接種した。同市名瀬の自衛官・濱本孔越さん(33)は「思っていたより早く接種できることになってよかった。今後、一般の方たちも含め、多くの人が接種できるようになってもらいたい」と話した。市内で訪問看護の仕事をしている同市名瀬の看護師、澤愛さん(36)は「高齢や疾患のある方の自宅を訪問するので、感染対策には人一倍神経を使っていた。ワクチン接種により抗体ができれば、患者さんや家族にも安心してもらえる」と喜んだ。

 一方、5月3日から始まる高齢者を対象としたワクチン接種と間違えて、会場を訪れる高齢者の姿もあり、市職員が説明する場面もあった。

 市新型コロナウイルスワクチン接種推進室によると、同センターの集団接種対象となる医療従事者は、両市町と大和、宇検両村の開業医や看護師、歯科医、薬剤師、名瀬保健所職員、ワクチン接種に従事する自治体職員、大島地区消防組合や自衛隊の隊員、奄美海上保安部の職員など約700人。

 同推進室は「まずは新型コロナ感染防止の最前線にいる医療従事者の集団接種を実施することで、島内の医療体制の構築につなげたい」としている。