世界自然遺産登録応援「ゴミゼロ」運動

家族連れなど約180人が美化活動を展開した=20日午前7時すぎ、徳之島町花徳・里久浜海岸

市街地の美化ローラー作戦の青少年たち=20日午前、天城町平土野

徳之島 約2千5百人が協力

 【徳之島】徳之島3町で20日午前、「世界自然遺産登録応援イベント・徳之島全島ゴミゼロ運動」などと銘打ったクリーン作戦があった。集落単位や青少年育成町民会議といった団体ぐるみの家族連れなど約2500人が参加。路傍のポイ捨てゴミや海岸漂着物の回収など環境美化に一役買い、地域に「ゴミゼロ」もアピールした。

 ユネスコの世界遺産委員会(来月オンライン開催)で世界自然遺産登録見通しの「奄美大島、徳之島、沖縄島および西表島」。徳之島3町は当初、月例クリーン作戦とは別に、『ゴミゼロの日』(5月30日)に「自然遺産登録応援イベント」などを計画したが、天候不良で20日に延期して呼びかけた。

 同日は午前7時ごろから一斉に始まった。再び雨天延期を余儀なくされる集落もあったが、各町発表の参加人数は徳之島町約800人(社会教育課)、天城町約1千人(同)、伊仙町約700人(きゅらまち観光課)の総勢約2500人と推計。各集落・自治会の設定ルートや景勝地などでの除草作業、ゴミ拾いなど美化活動に力を合わせた。

 徳之島町花徳の「里久(りく)浜」海岸には午前7時ごろ、町青少年育成町民会議の花徳、母間地区の家族連れなど約180人が集った。「50年に一度の大雨」で山間部から流出後、美しい砂浜を覆って無残な光景に変えていた枯れ枝など自然由来のゴミも人海戦術で回収した。

 同海岸に近い東天城中3年生の當麻瑠樹さんは「島の美しい自然を守るためゴミを捨てないようにしたい。でも世界自然遺産に登録されて自由に登山ができなくなることには反対です」と複雑な表情。また天城町平土野市街地でローラー作戦をしていた天城小6年生の瀬尾龍神(りゅうしん)君は「美しい自然のすき間にゴミがはさまっているのにはがっかり。自然遺産登録はうれしい。観光客も増えると思う」と話していた。