大島地区9月子牛セリ

相場下落、平均63万9千円
物財費高騰 肥育農家、素牛導入に慎重

 JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は22日、9月の大島地区子牛セリ市結果をまとめ公表した。市況は総平均63万9713円(7月の前回比3万8030円安)となり下落、前回に続き3万8千円台の落ち込みとなった。新型コロナウイルス感染症の影響により牛枝肉相場が軟調に推移しているほか、飼料費をはじめとする物財費が高騰しているため肥育農家が素牛導入に慎重になっているのが要因と分析されている。

 今回の子牛セリ市は、2日の与論市場を皮切りに、8日の喜界市場まで開催。「まん延防止等重点措置」および県独自の緊急事態宣言が発令されている中、感染防止対策を万全に実施し開いたという。

 入場頭数は1692頭(雌701頭、去勢991頭)で、全て売却。平均価格は、雌59万722円(前回比3万2889円安)、去勢67万4368円(同4万1156円安)となり、いずれも下落した。

 合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、瀬戸内の65万8727円を筆頭に、徳之島、与論、笠利、沖永良部、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価で市場を格付けすると、沖永良部の2485円(キロ当たり)を筆頭に、与論、徳之島、喜界、瀬戸内、笠利の順。セリ日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、沖永良部251日、徳之島257日、喜界260日、瀬戸内261日、与論262日、笠利263日の順となっている。

 7月セリに続き相場は下落が続いているが、同駐在は「枝肉重量の見込めないものや牛肉消費の鈍い4等級以下になりそうな子牛については極端に値を下げた印象を受けた」と指摘している。今後の子牛相場の見込みは「横ばいあるいは小戻し」と予想。年末に向けての枝肉相場は新型コロナの影響で不透明だが、「肥育農家の購買意欲については9月よりは少なからず上がってくると思われる。飼料給与のポイントを今一度確認し、子牛の商品性向上に努め購買者の求める、欲しい子牛づくりにより有利販売につなげてもらいたい」と呼び掛けている。