PV観戦、感動の渦

大島高校が勝利し、バンザイをする市民ら(AiAiひろば)

「大高野球部はすごい」「全員野球で勝利」

大島高校野球部が第149回九州地区高校野球大会の準決勝で、有田工業(佐賀県2位)と対戦した11日、奄美市名瀬末広町のAiAiひろばでは、鹿児島放送の動画アプリ「KAPLI」ライブ配信を使い、パブリックビューイング(PV)での応援観戦が行われた。ベスト4を決めた9日の感動を再びと、大勢の市民が観戦。勝利し決勝進出を決めた瞬間、大きな拍手とハト(指笛)が鳴り響き、会場は感動の渦に包まれた。

会場には約100席が用意され、入口にはアルコール消毒液を設置。新型コロナウイルス感染防止対策を万全にした上でのPV観戦。マスクをした約40人の来場者らは、初回の守備時から前山投手がストライクを取るたびに暖かい拍手と、用意されたうちわをたたきながらの応援。4回裏の攻撃で追加点をあげると、約70人に増えた観戦者から割れんばかりの拍手が送られた。

5回を終了時、雨により一時試合は中断。観戦にきた同校野球部OB圓久人さん(61)は「初回2点取られ、今日の勝利は無理だと思った。でも今の大高選手は粘りがある。終盤の逆転に期待したい」と後輩に思いを寄せた。

30分の中断後、6回の集中打による逆転劇にはひときわ大きな拍手と歓声。9回の守備時には約100人に膨れ上がった観客は祈るように画面に食い入り、アウトを一つ取るたびに大きな拍手。3アウトを取り勝利を決めた瞬間、割れんばかりの歓声とハトが飛び交い、来場者全員が一斉にバンザイを繰り返した。

観戦した松元昭男さん(75)は「勝って感動した。大高野球部はほんとにすごい。これでセンバツはほぼ確定。甲子園には絶対応援にいく」と興奮気味に話した。同市名瀬平松町から来場した伊藤富久さん(67)は「球数制限のある大野投手が投げられない中、武田主将をはじめ全員の選手が協力しあい、まさに全員野球による勝利。野球部の度重ねる奇跡は、地元に大きな勇気と感動を与えた。甲子園でも活躍し、なお一層地元を盛り上げてほしい」と、バンザイした。