「島根性」で雄飛を

アトランタ五輪レスリング入賞の西見さん(円内)と天城小児童らの「WEB遠隔講演・交流会」=22日、天城町

アトランタ五輪レスの西見さん
天城小児童とWEB講演・交流

 【徳之島】天城町出身で、1996年アトランタ五輪レスリング入賞を果たした自衛官の西見健吉さん(54)=東京都=と、ふるさとの同町立天城小学校(折田卓己校長)5・6年生ら36人との「WEB遠隔講演・交流会」が22日あった。小さな島から雄飛した徳之島ルーツの著名人らの紹介も交え、児童らを「目標を持って『島根性』で頑張れば、夢は必ず叶う」などと励ました。

 西見さんは同町与名間出身。岡前小、北中を経て鹿児島商工高(現樟南高)でレスリングと出会う。日本選手権など10回制覇、世界大会では金2、銀4、銅4。そしてアトランタ五輪(グレコローマンスタイル57㌔級)の敗者復活戦で、欧州王者で金メダル候補だったトルコ代表を「島根性」で破り8位入賞を果たした。

 今回のWEB遠隔講演・交流会は、徳之島出身有志らと親交のある熱烈な徳之島ファンの1人・岩井克己さん(63)=横浜市=が企画。「世界に羽ばたけ!徳之島の子どもたち。徳之島をルーツに持つ先輩との交流会」シリーズの第1回ゲストに西見さんを選んだ。

 西見さんは、アトランタ五輪の試合の模様(VTR)、同出場で5階級特進した幹部自衛官としての災害派遣など活動も紹介。小さな島から雄飛した天城町出身で講道館柔道9段・同館四天王の1人・徳三宝氏、徳之島町出身で大相撲第46代横綱「朝潮太郎」氏ら偉人。活躍が期待されるスポーツ各界の新鋭たちの存在も児童たちに伝えた。

 その上で「私は小さいころの〝うぎかて(サトウキビ担ぎ)〟の経験を通して他人には負けない島根性が育った。レスリングにもぴったりだった。世界を相手に敗けて落ち込むこともあったが、私の後ろには『ダメだったら島でも頑張れる』と、いつも徳之島があった」。児童たちには「目標を持って島根性で頑張れば、夢は必ず叶う」とエールを送った。

 児童ら質問には「バク宙(宙返り)は小3のころから挑戦。中学時代は気絶したことも。真似はしないで」、「一番好きな食べ物は島のスモモです」など気さく交流した。

 児童代表の盛岡夏樹さん(6年生)は、今年度末で定年を迎える西見さんの第二の人生(子どもの人権保護活動)や、アトランタ五輪での1点差勝利にも敬意を込め、お礼を述べていた。