一村キッズクラブ、終焉の地で始動

有川さん(右)を講師に終焉の地で水墨画に挑戦する子どもたち

水墨画で模写に挑戦

2022年度「一村キッズクラブ」の活動が17日、奄美市名瀬有屋町の田中一村終焉=えん=の地で始まった。受講生の子どもたちが水墨画で一村作品の模写に挑戦。アトリエだった住居を使って、ゆかりの花や植物、風景などをスケッチした。

奄美を描き続けた日本画家・田中一村を偲び、学ぶ場として県奄美パーク・田中一村記念美術館が主催。20年から始まり、活動は毎月第3日曜日。今年度は小学生7人、中学生1人の計8人が登録した。

子どもたちは家屋の庭や部屋を掃除した後、筆ペンを握った。講師は同館学芸専門員の有川幸輝さん。まずは一村の作品「紫陽花」や「白梅図」などを手本に、絵の模写に徹した。

有川さんは「太い線、細い線を上手く使い分けて」と描き方や技法をアドバイス。子どもたちは構図や墨の濃淡に気をつけながら、一村の筆使いを真似た。最後は個性的にとカラー絵の具を使って着色。表現力豊かな作品に仕上げた。

4月からクロウサギ留学で山形県から屋仁小に来た4年生の布施文音さんは、大好きな花の作品「紫陽花」を選んで何度も模写。初参加で「色つけが難しかったけど、もっと一村さんの(描き方の)工夫を知って、絵が上手になりたい」と意欲的だった。

受講生は小中高生を対象に随時募集。次回は一村ゆかりの地を巡る、スケッチウォーキングを予定している。