参院選かごしま

5候補舌戦、10日投開票
終盤は鹿児島市重点に奔走

第26回参院選は、一部の繰り上げ地域を除き10日投票、即日開票される。鹿児島選挙区(改選数1)には、現職と新人の計5人が立候補。物価高騰への対応やコロナ禍からの経済回復、安全保障政策などを争点に舌戦が展開されている。各候補とも終盤は最も有権者の多い鹿児島市を中心に遊説を行うなど、浮動票の獲得と票の掘り起こしに全力を注いでいる。

同選挙区に立候補しているのは、自民党現職の野村哲郎氏(78)と、いずれも新人で政治団体「参政党」の昇拓真氏(32)、無所属の西郷歩美氏(37)、立憲民主党の柳誠子氏(61)、NHK党の草尾敦氏(53)の5候補(届け出順)。

選挙期間中、各候補は、台風4号の影響による日程変更などの影響を受けながらも奄美群島など離島を含む広い選挙区を精力的に遊説、有権者にそれぞれが掲げる政策を訴えたほか、インターネット交流サイト(SNS)などを活用し投票を呼び掛けている。

4期目を目指す野村候補は4日に奄美大島入り。台風4号の影響で日程変更を余儀なくされたが、農政連などの支持基盤を中心に組織固めを図っており、3期18年間の実績を強調、食料の安全保障政策などを訴えている。

昇候補は、選挙戦序盤の27日に奄美入り、父親の出身地瀬戸内町を皮切りに島内一円を遊説。終盤は党や自らの知名度アップなどを狙い、鹿児島市の繁華街などで街頭演説に立ち、党の政策などを訴えている。

西郷候補も27日に奄美大島、28日に徳之島に入り。終盤の5日には沖永良部島で遊説を行うなど群島を精力的に回り、女性の社会進出や子育て教育環境の整備などの政策を訴えた。県本土でも鹿児島市などを中心に街宣活動を続けている。

4野党の統一候補として戦う柳候補は、25日に奄美入り。台風4号の影響で断念していた喜界島、沖永良部島などでも8日に遊説を行い、物価高騰対策や消費税減税など生活弱者の視点に立った政策を訴えた。

選挙区内に組織基盤を持たない草尾候補は、自宅のある千葉県から週末に選挙区に入り、報道機関の取材などに応える形で活動を行ったほか、SNSを使って党への支持を呼び掛けるなど独自の選挙戦を展開している。

同選挙区の投票率は、前回選(19年)が45・75%、前々回選(16年)が55・86%だった。