参院選鹿選挙区 自民・野村さん4選

当確を受け支持者らと熱いグータッチを交わす野村さん

「食料安全保障全力尽くす」
強固な組織力、実績で圧倒

事実上の〝与野党対決〟となった参院選鹿児島選挙区(改選数1)を制したのは、自民党現職の野村哲郎さん(78)。連立を組む公明党や出身の農政連などの強固な組織力に加え、3期18年の実績を訴え、圧倒的勝利で4選を決めた。食料の安全保障を前面に打ち出す野村さんの前に、立民新人の柳誠子さん(61)、無所属新人の西郷歩美さん(37)、政治団体「参政党」新人の昇拓真さん(32)、NHK党新人の草尾敦さん(53)の4人は涙をのんだ。

鹿児島市上之園町の選挙事務所には、午後7時ごろから支持者が続々と詰め掛けた。投票が締め切られた直後の午後8時過ぎ、メディア各社が野村さんの「当確」を伝えると、事務所内は大きな拍手と歓声に包まれた。

まもなく姿を現した野村さんはマイクを握り「18日間走り切った。私の当選というより支援いただいた皆さまの勝利だ」と支持者に感謝。「TPP、農業改革、そして今回はコロナ対策、さらに食料の安全保障。引くわけにはいかず、私はこのために出てきた」と述べ、「この問題は農家というより国民全体の問題だ。全力を尽くしたい」と力強く抱負を述べた。

森山裕自民県連会長は「本人の頑張りが通じた。多くの支えがきょうの結果につながった」と述べ、「冷静に考えれば食料の安全保障ほど大事なものはない。鹿児島県が先頭に立ってモデル的な地域になれるよう、野村さんらと頑張っていきたい」と激励した。

野村さんは自他ともに認める農政通。だが、穀物や資材高騰がウクライナ危機と円安で加速し、農業従事者を圧迫している。第一産業が大きなウエイト占める鹿児島県。農家をどう守り、県民の安心につなげていくのか、手腕が試される。