「海の事故ゼロキャンペーン」

一日海上保安官に就いた宮田さんらによる海難防止活動が行われた(18日、大浜海浜公園)

海難防止呼び掛け
一日保安官就任 市地域おこし隊員・宮田さん

 16日から海上保安庁が実施する2022年度「海の事故ゼロキャンペーン」に合わせ奄美海上保安部が18日、一日海上保安官に奄美市地域おこし協力隊の宮田夏弥さん(26)を任命。同市名瀬の大浜海浜公園で、海水浴客に海難防止を呼び掛けた。

 同キャンペーンのスローガンは、昨年に引き続き「海難ゼロへの願い」。重点事項に、①小型船舶の海難防止②ライフジャケットの常時着用など自己救命策の確保③遊泳中の事故防止④荒天時の走錨などに起因する事故の防止―を掲げている。

 同保安部によると、今年1月1日から7月1日までの奄美群島内で起きたマリンレジャーに伴う人身事故発生件数は4件。うち3件が、島外来島者によるものとなっている。

 宮田さんは、神奈川県出身の全日本空輸(ANA)の客室乗務員。今年4月に同市との人事交流で、地域おこし協力隊員に着任、市のプロジェクト推進課に配属された。任期は1年間。

 この日の午前、同保安部で海上保安官の制服に身を包んだ宮田さんは、任命式に臨み、同証を授与。午後、同公園に移動し、同部交通課職員同行の下、遊泳への注意を呼び掛けるとともに、啓発リーフレットなどが海水浴客らに手渡した。

 宮田さんは一日海上保安官を務めるにあたり「海がきれいな奄美大島だからこそ、安心安全に海を楽しんでいただきたい。今回の一日保安官の就任をきっかけに、海難防止の周知を続けたい」と語った。

 同保安部・樋口則一部長は「今年のこれまでの海難事故は昨年と異なり、半分以上が島外の方によるもの。『安全な海』を守る活動も、地域おこしにつながる」と話した。

 7月末までの期間中、同保安部は訪船指導などを実施予定。各所への啓発ポスターの掲示による啓発活動も行われる。