離島への公約(マニフェスト)と提言⑨ (山口那津男参院議員)

山口那津男(やまぐち・なつお)1952(昭和27)年7月12日、茨城県那珂湊(現ひたちなか市)生まれ。弁護士を経て90年、衆院議員に。防衛政務次官、参議院行政監視委員長、公明党政務調査会長などを歴任。2009年に党代表に就任した

離島の振興のため「現場の声を聞く、そして見る」

「離島にどう取り組んで、奄美はどうあるべきか」。与野党の壁を越えて、国会議員の離島への「公約」を語っていただくインタビュー企画。第9回は、公明党代表の山口那津男参院議員が登場する。

八丈小島でヤギと漁業問題に陣頭指揮。

「私は東京選挙区ですので、2001年、群発地震調査で都議と共に新島や神津島へ。噴火による三宅島の全島避難など、島民の大変さを痛感しました。同じ頃、過疎化で全島民が離島した八丈小島では、その後増殖したヤギによる漁業被害に対応。動物愛護と処理を両立させるため、生け捕りにし牧場で飼育し、ヤギを食べる文化のある八重山諸島などに送ったりもしました」

現場の声こそが最優先。予算編成には党派を超えて。

「南大東島で、八丈島と同じ言葉で歓迎されました。島の人に伺うと、八丈島出身者が開拓し歴史的な交流があったという。実際に聞かないと分からないのです。党の姿勢でもある『現場の声を聞く、見る』大切さを再認識しました。大事な予算編成などには、党派を超えて動きますよ」

アイデンティティーを尊重し、住み続けられる島へ。

「南大東島から沖縄との回線接続を推進し、実現しました。沖永良部島が脱炭素の先行地域となったように、そこを実証モデルにして、山村などへ適用することが望まれます。離島には長い歴史に裏付けられた誇り、独特の文化がある。不便だからこそ大切にすることが政治の役割だと強く思います」

現地の議員との連携を密に。「ティダ委員会」などを活用。

「奄美群島では喜界島で視察した地下ダムをさらに生かした農業の競争力向上、情報格差を縮め生活の利便性を高めるデジタル化のサポートも進めたい。豊かな自然と世界自然遺産登録を生かした観光振興も展開したいですね。11年には『ティダ委員会』総会を奄美大島で開催。国会議員や首長、現地の人たちと党派を超え意見を交わしました。島では、党派は関係ないのです」