73歳の高校生、中原さんが最優秀賞

最優秀賞の高原さん(中)、優秀賞の島田さん(左)と南さん(右)

島田さん、南さんが優秀賞
奄高定時制で生活体験発表

 県立奄美高校定時制(田中耕一郎校長、生徒30人)は15日、第53回「校内生活体験発表大会」を行った。各学年の代表11人が弁士となり、高校生活により変化した心情や人間関係、興味を持っていることや将来の夢などを発表。生徒らは弁士の発表に耳を傾けた。

 同発表会は、学校生活を通じて感じ学んだ貴重な体験を発表し、多くの人々への共感と励ましを与えることを目的として、全国の定時制および通信制の高校で実施。各校の代表は県大会、県大会での代表が全国大会に出場する。

 中原政廣さん(2年・73歳)は、演題「高校生活について」。幼い頃の経済状況により高校に進学できなかったことや、社会に出てからの中卒だったことによる苦労、奄美高校のクラスメイトの支えなどを発表。最優秀賞に輝き県大会への代表に選ばれた。

 島田信愛さん(1年・15歳)は、演題「大人と子どもの境い目」。小学校時代のいじめや教員の対応への絶望感、高校生活やアルバイト先での出会いにより考えが変わったことなどを発表。南小遥さん(2年・16歳)は、演題「学校で学んだこと」。学校もアルバイトも辞めたいと思ったこと、救ってくれた母の言葉や信頼できる友達の存在などを発表。島田さんと南さんは優秀賞を受賞した。

 開会式で田中校長は「今までの自分の高校生活を振り返り、これからを考える良い機会。仲間の存在のありがたさを感じ、勇気ある仲間の発表を真剣に聞いてください」と話した。

 最優秀賞の中原さんは「この年齢になって高校に入学しいろいろな人にお世話になった。支えてくれる先生や生徒に感謝の気持ちを伝えたかった」と語った。

 優秀賞の島田さんは「支えてくれるみんなのおかげで受賞できた。読書が好きで、発表内容もすらすらかけた」、南さんは「自分の気持ちがうまく伝えられなかったが、思った以上に順調に書けた」と笑顔を見せた。