徳之島署「徹底取り締まり」宣言

厳しい交通情勢に「徹底取り締まり宣言」(緊急対策会議)=20日、徳之島署会議室
秋の全国交通安全運動出発式(徳之島地区)=20日、徳之島署

小学生死亡、事故多発で安全運動出発式も

【徳之島】痛ましい小学男児の犠牲を含め交通事故が多発傾向にある徳之島地区の「緊急交通安全対策会議」と、秋の全国交通安全運動(21日~30日)の出発式が20日夕、徳之島署であった。岩下文之署長は交通事故抑止への「徹底取り締まり宣言」を発し、一体となった交通安全運動に協力を求めた。

同管内では7月27日午後1時すぎ、徳之島町亀徳の団地敷地にいた小学生2人が、県道から突っ込んできた軽乗用車にはねられ、うち1人が死亡し、運転していた高齢者も死亡する悲惨な事故が起きた。

一方では今年8月末現在の人身事故発生件数も計33件(前年同期比11件増)、うち死者2人(同1人増)・負傷者38人(同12人増)。物損事故も184件(同47件増)と急増傾向にある。

緊急対策会議(同署主催)には、県や徳之島3町長ら当局、地区交通安全協会、安全運転管理協議会、交通安全活動推進員、県警本部交通部など関係者約20人が出席。

岩下署長は、近隣の同規模署などに比べ突出した事故発生件数を指摘。現状打破、交通事故抑止への3本柱に①交通安全教育②交通環境の整備③交通指導取り締まり強化を挙げ、「徹底取り締まり」を宣言して協力を要請した。

同署交通課の管内概況説明に続き意見交換した。ハード・ソフト両面対策に必要な小学男児ら死亡事故の「原因究明・公表」に関する質問に、同署は、高齢者の当時の体調(医学的見地)を含め「現在、捜査中」として詳しい回答を避けた。出席者からは、一時停止ラインや歩行者優先の無視、高齢者事故の多発などに指摘・質問もあった。

同署駐車場での交通安全運動出発式には関係者約百人が参加。岩下署長が管内概況を交えあらためて「徹底取り締まり宣言」を発し、関係機関・団体を挙げた運動取り組みを要請。この後交通安全宣言などに続き、白バイを先頭に啓発車両を見送った。