ラッピングバスをお披露目する関係者ら
しまバス ラッピングバス運行開始
「よ~りよ~り」優しい運転を
観光客や地元ドライバーを対象に、輪禍が多発する生物への注意、交通事故防止を啓発するデザインを車体に施した、しまバスのラッピングバス運行が27日から、始まった。奄美大島では初の試みで、担当者らは「よ~りよ~り(ゆっくり)。野生動物に優しい運転を心掛けて」と呼び掛けている。
ラッピングバスは、環境省奄美群島国立公園管理事務所や奄美大島、徳之島の自然保護団体らで取り組む「アマミノクロウサギ交通事故防止キャンペーン」(9月15日~11月15日)の一環。デザイン・制作は奄美海洋生物研究会が手掛けた。
ラッピングバスは1台。奄美大島の路線バス「しまバス」が運行し、来年3月末まで、市街地を中心に空港や古仁屋行の各路線を走る。車体にはアマミノクロウサギの写真を大きく配置し、ケナガネズミやアマミイシカワガエルなど、輪禍の多い生物6匹をデザイン。縦横2メートルのスペースに、「よ~りよ~り」のメッセージを立たせ、ドライバーらへはゆとりを持った運転を心掛けるようアピールしている。
ラッピングバスを披露した同研の興克樹会長は「バスを見ることで安全運転を再認識し、事故を減らすという動きにつながれば」とPR。同管理事務所の阿部愼太郎所長は「クロウサギのロードキルは今年も増えている。島にいる動物を知って、これまで以上に気をつけて運転するよう意識を高めてほしい」と話した。
同管理事務所によると、22年8月末時点のアマミノクロウサギ交通事故件数は54件。20年の53件をすでに上回り、過去最多だった21年の60件を超えるペースで推移している。