日米共同訓練

日米共同統合演習「水陸両用作戦」(着上陸訓練)を支える陸自水陸機動団の訓練統裁隊=11日、徳之島町花徳海岸


日本の主力戦車「10式戦車」も配備。陸自西部方面隊の砲弾実動訓練も並行か=11日、徳之島町内海岸

徳之島で「水陸両用訓練」備え
陸自水陸機動団と米海兵隊 双方オスプレイ初投入も

 【徳之島】自衛隊と米軍による日米共同統合演習(実動演習)「キーン・ソード23」(10日~19日)が始まったが、徳之島町花徳海岸では16日から、日本版海兵隊と称される陸自水陸機動団と米海兵隊合同の着上陸訓練(水陸両用作戦)が本格化する。花徳海岸では11日、訓練隊員の安全確保など支援にあたる「訓練統裁隊」の訓練も開始。17、18日は日米双方の輸送機オスプレイ複数機を投入した初の連携訓練も展開される。

 防衛省統合幕僚部によると、日米共同統合演習キーン・ソード23には期間中、自衛隊約2万6千人、米軍約1万人を動員。双方の艦艇約30隻と航空機約370機が出動するという。近年海洋進出を強め国防上の脅威となっている中国を念頭に、南西諸島をはじめとする離島防衛や弾道ミサイルへの対処などを想定した共同演習とみられる。

 初の日米共同演習が行われる徳之島には11日朝も、鹿児島からの定期船で装備品を積載した多くの自衛隊車両が追加された。統合幕僚部や陸自西部方面隊(熊本)は、徳之島への日米双方の演習投入隊員数や艦艇数、水陸両用車(AAⅤ7)など関係車両数、オスプレイなど航空機の数など規模は非公開のままだ。

 11日午前、徳之島町内の別の海岸線には、日本の主力戦車「10式(ひとまるしき)戦車」が砲身を海上に向けて配備された。日米共同統合演習の水陸両用作戦と並行して、西部方面隊の師団か旅団の〝対舟艇対戦車中隊〟の砲弾実動訓練も展開されるとみられる。

 離島防衛・奪還を想定したものとみられる水陸機動団の水陸両用作戦(着上陸訓練)の本格化に備えた同団「訓練統栽隊」は、地上および水上訓練中の事故などにおける隊員救助も目的とした、いわば臨時選抜の特殊部隊。訓練を支える救助用ゴムボート(8人乗り)と船外機の点検などに真剣な表情で取り組んでいた。

 花徳海岸での水陸両用作戦の模様は18日、報道陣に公開される。陸自水陸機動団長と海自掃海隊群司令の会見も予定している。